GAME FREAK Recruit

Cross Talk

シナリオ・世界観設定対談

誠実にアイデアを考え抜く力と、
それを捨てられる軽やかさが大切。
誠実にアイデアを
考え抜く力と、
それを捨てられる軽やかさが大切。

Member

S.N.

2003年入社

プランナーとして『ポケモン』シリーズの開発に携わった後、主に設定や2Dデザインの監修を担当。現在はコンセプト&ビジュアルスタジオのワールドコンセプトセクション セクションディレクターを務める。

K.I.

2008年入社

新卒入社後『ポケモン』シリーズ開発に携わり、複数プロジェクトでディレクターも務めた。現在は開発二部の副部長と、コンセプト&ビジュアルスタジオのワールドコンセプトチームを兼務。

K.M.

1993年入社

入社以来、長年にわたって『ポケモン』シリーズの世界観やキャラクター設定を担当。『ポケモン』シリーズ関連作品の監修も務め、現在はコンセプト&ビジュアルスタジオ ワールドコンセプトチームに所属。

『ポケットモンスター』
シリーズの世界観を、
大切に守りながら、
新たに作る。

S.N. 「ワールドコンセプト」。聞き慣れない名称かもしれませんが、その役割としては新しい『ポケモン』シリーズタイトルを作る際に「どういう世界観にするのか?」「その世界、その地域にはどういう文化があるのか?」「大まかなプロットはどうするのか?」といった舞台設定を考えること。ゲーム制作が進んでいく過程で実装されるデザインが、私たちが考えた世界観、舞台設定と齟齬が無いかを確認することです。また、アニメや映画などに展開される際に、設定や世界観が守られているかチェックすることも重要な仕事のひとつです。

K.M. 約30年かけて積み上げてきた『ポケモン』シリーズ独自の世界観や設定を維持しながら、新しい価値を作っていく仕事ですね。思い描いた世界観や設定がテキストだけで伝わらない時は、同じチームにいるデザイナーに協力を依頼してアートワークを描いてもらったり、時には3Dのイメージを伝えるために粘土模型を作ることも。それを元にタイトルの開発メンバーが、最終的にユーザーが目にするキャラクターや風景デザインへと落とし込んでいきます。ゲーム開発における最序盤の工程と言えるかもしれません。

S.N. 「舞台設定を作る」と一口に言ってもそこには色々な仕事があり、メンバーそれぞれ異なる得意分野があります。K.I.さんは全体の世界観やマップを作ることに非常に長けているし、K.M.さんは世界観をふまえて新しい概念(例えば『ポケットモンスター ソード・シールド』におけるダイマックスなど)をシリーズ設定に取り入れるのが得意。キャラクターのビジュアル面も踏まえて設定を考えるのが好きな人もいる。自ずと適材適所で活躍していきますね。

K.I. そういう意味では、自分の強みや個性を活かせる仕事だと思いますね。ただ、自分が得意だと思っていても実は全然向いていなかったり、その逆もあり得るので、その人の個性、本当の得意分野を周りのスタッフと一緒に見つけることも大事にしています。

1つの絵を、
1人で描くのではなく、
皆で描くような仕事。

S.N. 元々はプランナーの中に世界観設定のチームがあったのですが、組織が大きくなっていく中で専業化し、世界観とデザインを担当する専門部署になりました。さらに拡大していきたいと思ってはいます。

K.I. 『ポケモン』はシリーズとして長く続いているからこそ、独自のこだわりを持っている部分もあります。既にシナリオ設定や舞台設定の仕事のご経験をお持ちの方、『ポケモン』シリーズを遊んだことのある方も、新鮮に感じられることがあるかもしれません。

S.N. 前提として『ポケモン』シリーズに興味があり、考えることが好きで、その上でさらに重要なのが「周りと調和する力」。クリエイティブへの想いが強いのは良いけれど、自分と違う意見や企画が出てきた時に、「違うだろ」と言うのではなく、「なぜそう考えたの?」と興味を持ち、理解しようとする姿勢が大切です。

K.I. 確かに、皆で1つの絵を描くような仕事と言えなくもないので、1人で絵を描きたい人は向いていないかもしれませんね。

K.M. タイトル開発側から上がって来た企画が自分の考えた世界観と合わなくても、ぶつかるのではなく「どんなストーリーがあれば馴染むか?」を考える。より良いゲームを作りたい想いは皆、同じですから。最近印象的だったのが、スマホロトムに現実世界で言う「自撮り棒」の概念を入れ込むというアイデアですね。

S.N. スマホロトムはプレイヤーを助けてくれるどうぐですが、ロトムというポケモンの力を借りて使えているものなので、自立して動くことができます。だから写真を撮る際も、本来なら自由に動いて勝手に撮ってくれるはず。でも、タイトル開発側としては、新しい遊びを広げるという意味で、所謂「自撮り棒」のような要素を追加して、ゲームの中で写真を撮るという遊びの幅をより広げたかった。

K.M. そこで「スマホロトムが一休みできる止まり木」という考え方で、いわゆる「自撮り棒」の概念を捉えなおしてみました。「浮いた状態で撮影するとブレるから、あえて止まり木に止まって撮る」ということですね。

S.N. そんな風に、タイトル開発側がやりたい仕様に対して『ポケモン』シリーズの世界観に合った設定を考えるのも、私たちの重要な仕事のひとつですね。

舞台設定やシナリオありきでなく、
すべては『ポケモン』シリーズというゲームのために。

S.N. 開発の上流でプロジェクトの方向性を決める仕事なので、ゲーム全体に与える影響も責任も大きくなります。プレッシャーはありますが、これだけ世界で愛されているタイトルはなかなかないので、世界に向けて何かを発信したい人にとっては非常にやりがいのある仕事だと思いますよ。

K.M. 妄想力があってロジカルに考えられる人、理屈を考えることが好きな人なら、きっと楽しめると思います。妄想だけでは仕事になりませんが、自分が妄想した世界観や舞台設定を、ロジカルに相手に伝えて説得できるだけの知識やスキルがあれば、自分の妄想が価値ある仕事になり得ます。

K.I. それに加えて、ある種の「諦めの良さ」や「フットワークの軽さ」も必要です。何か月もかけて考えたストーリーや設定が、プロジェクトの方針が変わった瞬間にボツになることもざらにある。でも、ときには思い切って捨てた方が結果良いものにもなる。自身のアイデアに固執し、心を痛めるようではやっていけませんから。

S.N. そう考えると、この職種に合うのは「誠実さと軽やかさを兼ね備えた人」なのかもしれません。世界観や舞台設定を懸命に、誠実に考えるけれど、そうして考えた設定を平気で捨てられる人がいい。自分が考えたことが必ずしも正義ではありませんから。

K.I. 優先されるのは舞台設定ではなく、あくまでゲームとしての体験です。舞台設定やシナリオありきでゲームを作るのではなく、『ポケットモンスター』シリーズというゲームのルールをわかりやすく伝え、違和感なく楽しんでもらうために必要な設定を考えています。「自分の世界観を形にしたい」という人ではなく、『ポケモン』シリーズが好きで、「自分の想いを『ポケモン』シリーズのゲームに活かしたい」という人にぜひ来てほしいですね。

世界一を、つくってます。
世界初も、つくってます。

世界一楽しんで、
世界一楽しいゲームを。